研究1 : 目的・背景

研究1

DCGANを用いたAIによる画像生成の体験

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  ・背景と目的
  ・アプローチ手法
  ・原理
  ・可視化方法
  ・可視化結果
  ・考察

【背景と目的】

 人工知能が大きく世間に知れ渡ったのが2000年頃だと(主観ですが)感じています。映画マトリックス(1999年)やターミネーター(1985年)といった、いわゆるSF、つまり空想(フィクション)だとされてきた人工知能という技術は2023年現在ではまだ自律的意思を持つまでには至っていない。しかし、自然言語処理や画像解析の分野ではここ数年で著しい技術発展を遂げ、いよいよ2045年にはシンギュラリティが起こることも現実味を帯びてきた、と感じる人は多いだろうと思います。
 人工知能がここ数年で著しく成長できたのは、ニューラルネットワーク、または深層ニューラルネットワーク(ディープラーニング)といった既存の理論に、膨大な計算量を効率よく処理できるハードウェアが登場し、これまで解決できなかった時間的コスト(ボトルネック)が解消されたことが大きいと感じています。つまり、現在のAI、ディープラーニングの理論自体は随分前に確立されてはいたが、ハードウェアの処理能力がこれまで追いついていなかったのである。処理能力のボトルネックが解消されれば、人工知能の発展が加速度的に進むのは間違いない、というのは実は理にかなっているのである、というのが私の意見です。
(人工知能の発展の歴史的側面については、こちらの記事をご参照ください。)

 このように人工知能が生活のいたる所で活用されており、その範囲も拡大している状況下では、これまでは人工知能を「使う側」であったはずの人類は、人工知能に「管理される」される未来はそう遠くないと感じています。これにより、私は「人間にしか出来ないことってなんだろう?」と考えることが多くなり、多くの時間を割いて導き出した結論は、【『創造性』こそが人類のアイデンティティである】ということでした。
 しかし、『創造性』の主たる分野である芸術に関しても、既にAIが人間を凌駕していると捉えられる出来事が起こった。下図に示す絵画が、アメリカ コロラド州で開催されたファインアートコンテストで1位を取得したのである。

図1:Midjourney(テキストから画像を出力するAIアプリケーション)で出力させた絵画

 ここで重要なのは、あくまでもAI(Midjourney)が独自に考え、出力した絵画ではないということである。人間がツールとしてAIを使い、その使い方に秀でた人物による創作物が、アートコンテストで優勝した、ということである。そのため、人間による創造性は完全にAIに凌駕されたわけではなく【描くことでの表現】はAIが勝っているかもしれないが、その絵を描画させるための命令文の創造という点では今の所人間にしか出来ない、創造性を発揮できる分野として残っているのである。

 以上を踏まえ、研究(勉強)の目的を人間を凌駕した描画力をAIが持つためには、どの技術を活用しているのかを畳み込みニューラルネットワークや遺伝的アルゴリズムを活用しながら試行錯誤をして、技術に触れること、と設定いたしました。その研究の第一歩として、まずは、AIの既存技術であるDCGANを用いた画像生成を体験することに挑戦してみます。ここでの目的は、既存技術を応用したことを成し遂げる、といったフェーズにまだ私が達していないことを受け、既存技術に触れながらAIを勉強してみよう、ということになります。
(まずはスモールスタートで一歩ずつやっていく所存です…。)

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