【ストーリー】
本作は『マトリックス三部作』の第三作目であり、ネオがセンティネルを謎の力で退け、その直後に意識を失ったリローデッドの続きから始まります。第一作目で【救世主】として覚醒したネオは、第二作でソースへ到達したが戦争を終わらせることができなかった。その続編である今作は、【どのように戦争を終結するのか】を描くとともに【機械 VS 人間の全面戦争】について描いています。
リローデッドでセンティネルを止めた後に意識を失ったネオは、マトリックスと機械の世界の境界に閉じ込められていることがオラクルから明かされる。一方で、オラクルの予言どおりに行動して、全面戦争を避けることができない事実に憔悴し、混乱しているモーフィアスは「それでもあなた(オラクル)を信じろ、いうのか」と問いかけるも、オラクルは「信じることは求めないが、ネオは私達全員の助けを必要としている」と告げる。もはやそこには【選択】はなく、オラクルに対する疑念がありつつも結局はオラクルを頼らざるを得ず、ネオの救出へと動き出す。
セラフ、モーフィアス、トリニティの協力を得て、次元の狭間に迷い込んだネオは無事救出される。その後「最後のチャンス」としてオラクルのもとへ訪れるネオ。そこで、ネオはオラクルに「【前任者】のことや【アーキテクト】の存在を教えなかったのは何故か。」と問いかけるも、オラクルの答えは「あなた(ネオ)自身が決めた」と告げる。それを踏まえ、ネオは過去についての質問はやめ、これから取るべき行動の助言を求める。その結果、『マシン・シティ へ行き、スミスを止める見返りに戦争の終結を行う交渉を行うことが救世主としての役割である』と理解するに至る。
その後、ザイオンでの全面戦争が勃発し、人間側は劣勢に追い込まれる。するといきなりセンティネルは攻撃の手をやめ、その場に待機する。これは【ナイオビ船長から託されたロゴス号を使ってマシン・シティへ到達したネオが戦っているため】とモーフィアスはいち早く理解し、最後の頼みの綱のネオにすべてを任せる。
マシン・シティへとたどり着いたネオは、デウス・マキナ(機械側の長)と交渉する。
「プログラム・スミスは制御不能だ、すぐにでも現実世界へ干渉してくるだろう。俺ならスミスを止められる。」というネオに対し、デウス・マキナは「誰の助けもいらぬ。目的は何だ?」と問いかける。そこでネオは「平和だ」と答え、スミスの破壊を条件に、平和を約束させた。
スミスとの激しい戦闘の末、スミスに倒されてしまうネオ。更にはデウス・マキナに繋がれたネオの精神にスミス自身を上書きコピーされ、戦いは終わった。と次の瞬間、デウス・マキナはネオの体にある操作を行い、ネオの精神にいるスミスを破壊。その破壊はすべてのスミスへと伝搬し、スミスを排除することに成功した。ここでネオは死亡するも機械はネオとの約束を守り、ザイオンから撤収していった。ここで物語は終わる。
【映画マトリックスシリーズのコラムネタ】
こちらの記事で触れているコラムの内容について、第三作目の内容に絞りリストアップします。
・ネオ= マシン説
・オラクルの「救世主の力はマトリックスを超越し、同じところへ帰る」という発言の意味
【感想・個人的評価】
本作は、一見するとハッピーエンドだが、ネオやトリニティの死など暗い印象を持つ映画であると感じた。ストーリーには考察を生むような描写が散りばめられており、それに対し、はっきりとした回答が示されていない、「観れば観るほど新たな気づきが得られる名作」という印象です。
正直に言えば、三部作を切り取って本作だけでの評価は低くなる、と言わざるを得ませんが、三部作としての最終作として見れば【名作】といえるというのが私の感想です。
そんな”マトリックス レボリューションズ”の個人的評価は【83点/100点】です。予想のできない展開と、戦闘描写の没入感、敵の戦力に対する絶望感等をうまく描写した作品です。しかし、三部作の最後としては満足できる内容でしたが、単独で評価すると第一作を超えられていない、そんな印象を受けたので、この点数としました。